悪路の走破性の高さが売りのジムニー。
国産車では最強との声もあります。
どんな道でも力強く走りきってくれそうですね。
そんなジムニーですが、雪道に対してはどうでしょうか?
「いくら走破性が高くても、スリップしてしまうのでは?」
「ジムニーならノーマルタイヤでも大丈夫?」
といった疑問がある方も居るのではないでしょうか。
今回は、ジムニーの走破性能を徹底検証。
その性能や、雪道の走り方をご紹介します。
ジムニーは雪道に強いのか?
結論から言えば、ジムニーは雪道に強いです。
何故強いのか?
その理由となる、機能や仕様をご紹介しましょう。
① パートタイム式4WD
出典:ジムニー公式サイト
ジムニーはパートタイム4WDという方式を採用しており、状況によって2WDモードと4WDモードを使い分けられます。
雪道では4WDモードにしておけば、しっかりと走ってくれるでしょう。
さらに、4WDには二つのモードが搭載されており、より強い力で動かせる低速モードにも出来ます。
雪でスタックして駐車場から出られない・・・なんて時に使えば、上手く切り抜けられるでしょう。
② ブレーキLSDトラクションコントロール
出典:ジムニー公式サイト
パートタイム4WDは図のスタック状態のように、左右の片方が空転するともう片方も駆動力が失われてしまいます。
その為、右前輪と左後輪が空転してしまった場合、車が動かなくなってしまうのです。
状況としてはまれですが、こうしてスタックしてしまう事が過去の4WDではありました。
それを解消したのがブレーキLSDトラクションコントロール。
これにより空転した車輪にブレーキがかかり、動力が確保されます。
雪でのスタックや路面凍結でタイヤが空転しても、他のタイヤで前に進む事ができます。
③ ヒルディセントコントロール
出典:ジムニー公式サイト
凍結した路面の下り坂・・・
想像しただけで運転する気が失せますね。
びびって急ブレーキを掛けてしまうと、タイヤが滑ってスピンしたり、止まらず追突する可能性も・・・
そんな時、便利な機能がヒルディセントコントロール。
この機能は、坂道で一定の速度(約7km/h)になるよう自動でブレーキを掛けてくれるのです。
これにより運転者は細かいブレーキ制御に気を取られず、ハンドリングに集中できます。
④ 3アングル(アプローチアングル、ランプブレークオーバーアングル、デパーチャーアングル)
出典:ジムニー公式サイト
最低地上高205mmと高いジムニー。
それに加えて、図の3つのアングルを十分に確保する事で、圧倒的な走破性能を実現しています。
これらのアングルを確保する事で、車体に障害物がぶつかりにくくしているのです。
雪山道で石や木、車が通った跡のわだち等、簡単に乗り越えてくれます。
アイスバーンに弱いってホント?
ジムニーの強みをご紹介しましたが、こんな噂を聞いた事はないでしょうか?
「ジムニーはアイスバーンに弱い」
実際弱いのか・・・?
答えは「いいえ」です。
ただし、強くもありません。
そもそも4WD車全般に言えることですが、4WDの強みは「進む力が強い事」です。
スタックや坂道、障害物を乗り越える時などで強みを発揮するんですね。
そのため、アイスバーンでの"スリップ"に強い車ではないのです。
なので、「雪道、悪路には強いが、アイスバーンは他の車と大差ない」というのが正しい評価といえるでしょう。
ライバルのハスラーと雪道の走破性を比較
ライバル車と比較するとどうなのか・・・?
軽SUVとして比較されやすいライバル車、ハスラーと比べてみましょう!
車種 | ジムニー | ハスラー |
---|---|---|
駆動方式 | パートタイム式4WD | スタンバイ式4WD |
車重 | 1,030-1,040kg | 820-870kg |
最低地上高 | 205mm | 175mm |
最大トルク | 9.8kgf・m /3,500rpm | 9.7kgf・m /3,000rpm |
雪道を走る上で重要となる、4項目を比較してみました。
駆動方式でみるとハスラーはスタンバイ式です。
前輪が空転をしてはじめて、後輪が駆動するようになります。
しかし、空転してからではタイムラグが発生しやすいです。
また、設定すれば常時4WDで動けるジムニーに比べると力不足になるでしょう。
車重、トルクは大きいほうが雪道では有利です。
最低地上高も高い方が悪路を進みやすくなります。
これらを比較すると、ハスラーよりジムニーのほうが雪道に強いということが分かりますね。
ノーマルタイヤ&チェーンでも大丈夫?
ジムニーは雪道もへっちゃら、ノーマルタイヤでも大丈夫でしょ!
と、思っていませんか?
その考えは命取りです!
雪山にノーマルタイヤは自殺行為
雪山は坂やうねり道が多く、雪も多い為スリップしやすいです。
このような状況をノーマルタイヤで走ったら、かなり高い確率で事故を起こしますよ!
先ほどお伝えしたように、ジムニーでもアイスバーンなどのスリップへは対抗できません。
車は一度スリップしたら止まりません。
ノーマルタイヤで坂道でスリップしたら、ジェットコースターのように真っ逆さまです。
コントロールが効かず、他の車と衝突してしまうかもしれません。
もし、山道なら崖の下に真っ逆さま・・・
なんてことにもなります。
いくらジムニーが雪道に強いからと言っても、絶対に甘く見てはいけません!
スタッドレスタイヤ必須!最低限チェーンの用意を
雪道でのスリップによる事故を起こさない為にも、スタッドレスタイヤを履きましょう。
低温でも硬くならず、溝も深く作られたスタッドレスタイヤならスリップを大幅に軽減してくれます!
スタッドレスタイヤを用意できない方は、最低限チェーンを用意しましょう。
チェーンは雪や氷に食い込んでグリップ力を高めてくれますよ。
ただし、常時付けていられないので、装着タイミングを見極めなければいけません。
路面へのグリップもスタッドレスタイヤには劣るので、あくまで緊急用と考えましょう。
また、深雪にはスタッドレスタイヤよりチェーンの方が有効です。
豪雪地や雪山の林道を走る時は、スタッドレスタイヤでもチェーンを巻いた方がいいですね。
雪道を走るコツは?安全な走り方
ジムニー✕スタッドレスタイヤ=完璧
ですが、運転の仕方が悪いとやはり事故に繋がってしまいます。
そこで、具体的な雪道を運転するコツをご紹介します。
「急」の付く運転をしない
「急ハンドル」「急ブレーキ」「急アクセル」といった動作をすると、スリップの原因になります。
ブレーキを踏む時は何回かに分けて踏むといいですよ。
また、カーブの時は事前にしっかり減速し、ゆっくり曲がりましょう。
カーブ中にブレーキを踏むとスリップしやすいので要注意です!
車間距離を十分空ける
雪道は、どうしても制動距離が伸びてしまいます。
更に、前の車がスリップしたり、事故を起こす可能性も考えられます。
十分に距離を空け、余裕を持って対処できるようにしましょう!
路面状況を確認
路面の状態を常に観察しましょう。
危険かどうか、心構えが出来ているかで対応の速さに差が出ます。
また、トンネル出入り口や橋の上など、注意するべき場所が見えたら事前に減速しておきましょう。
雪道を豪快に走る動画を紹介
実際に雪道をジムニーが走っている動画を紹介します。
豪快に雪山を進むジムニーに、ほれぼれしますね。
こちらは雪に埋もれてしまったジムニーの脱出劇。
こんな状態でも脱出できるのは、さすがの一言!
普通の車では絶対にムリでしょう。
「雪道でスタックした車をジムニーがレスキュー!」なんて話もよく聞きます。
これだけのパワーがあるんですから、納得ですよね。
まとめ
ポイント
・ジムニーは雪道に強い。
・4WDは進む力は強いが、スリップに強いわけではない。
・雪道ではノーマルタイヤ厳禁。スタッドレスタイヤを履こう。
・雪道に強い車でも、安全運転を心がけること。
ジムニーの走破性は噂どおり高く、雪道でも最強のようです。
ですが、油断は禁物!
しっかりとスタッドレスタイヤを履き、安全運転を心がけましょう。
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