いよいよ2019年も残りわずかです。
今年は平成から令和になり、まさに時代の節目に生きているのを実感した年でした。
そんな2019年の最後には、やっぱりSUVのお話をしましょう。
今回は買う時に得する話ではなく、売った時に得するリセールバリューについてです。
車を買う時、性能や外観、シートの質感などを入念に比較検討しますよね。
試乗してみたり・・・
色々なカーショップに通ったり・・・
知人に訊いてみたり・・・
インターネットで調べたり・・・
車は日常使いするので生活の一部。
これらは入念に調べる人が多いでしょう。
でも、買った車を売る時の事まで考える人は少ないのでは?
リセールバリューまで考えて車を選ぶと、とてもスマートな人に思われます。
中古査定に出した時、「あなた、素敵!見直したわ!」と言われる事間違いナシ!
リセールバリューを知れば車の市場価値を把握できるので、損をせずに車を売れるようになります。
それどころか、この知識を上手く使えばお得に車に乗れます。
リセールバリューとは何ぞや?
リセールバリュー(resale value)とは、直訳すると再販価値。
新品で買った車を、中古車として再度販売する時の価値をリセールバリューと呼びます。
車業界では、新車購入後3年〜5年で、買取価格や下取りの価格からリセールバリューを割り出します。
一般的な国産車は、3年後(3万km未満)は概ね新車価格の35%〜55%ぐらいになります。
50%を超えるとリセールバリューが高い車だと判断できます。
つまり400万円で購入した新車は3年後、160万〜240万円になるのです。
リセールバリューがそこそこの車が新車価格の40%・・・という事で160万円。
リセールバリューが高い車になると新車価格の60%・・・240万円で売れます。
これだけでも80万円の差額が出ています。
80万円あれば最新の冷蔵庫とエアコンを購入できますよ!
だから奥さんに「素敵!」って言われるんです(笑)
3〜5年後に車を乗り換える可能性があるなら、リセールバリューが高い車を選んだ方がお得です。
リセールバリューが高い車
「リセールバリューが高い車を選んだ方が良いのは分かった。だが、どの車のリセールバリューが高いんだ?」
という質問が聞こえてきます。
説明しましょう。
人気がある車
人気がある車は市場での回転率も早く、それだけ中古自動車販売店にとっては売りやすい車になります。
売りやすければ、多少高くても買い取ってくれるので、車の買取価格は高めになります。
例えば、以下の車種はSUVの中でもとりわけ人気車種ですね!
トヨタ ハリアー
出典:トヨタ公式サイト
言わずと知れたSUVの人気を押し上げた立役者、ハリアー 。
ワイルドな外観と高級車に負けないラグジュアリーな室内が魅力。
*写真は特別仕様車『Style NOIR』
スバル XV
出典:スバル公式サイト
爽やかでスポーティーな外観が印象的なXV。
[Alexandros]の曲が使われたテレビCMを観た人は多いはず。キャッチコピー【本気の自由をくれる車】というのがまたカッコイイですね。
ホンダ ヴェゼル
出典:ホンダ公式サイト
ホンダといえばヴェゼルと言われるほど、コンパクトSUVでは人気の車。
一昔前はホンダといえばシビックでしたが、時代は変わるものです。
ヴェゼルは小回りが効き、狭い道が多い日本の道路事情にマッチしたのが販売台数に結びついたのでしょう。
マツダ CX-5
出典:マツダ公式サイト
マツダのSUVといえばCX系ですね。
中でもこのCX-5は大きさ、高級感がちょうど良いバランスで整っています。
CX-5はスポーティな雰囲気よりも大人の気品や品格を前面に押し出しています。
溢れ出るダンディズムな車です。
モデルチェンジしてもイメージが変わらない車
車はモデルチェンジすると、モデルチェンジ前の世代はリセールバリュー が下がります。
しかし、モデルチェンジしてもほとんどイメージが変わらない車はリセールバリューが下がりにくいのです。
出典:トヨタ公式サイト
軽トラック、ハイエース、ダイハツのハイゼットなどの商用車はモデルチェンジしても気づかないですね。
これらの車種で、どのモデルが何世代目か言い当てられる人は、かなりマニアでしょう。
しかし、今の最新モデルは安全運転支援技術がしっかりと搭載されています。
ロングセラーの車
各メーカーに、昔から名前が通ったロングセラーの車がありますよね。
いわゆる名車です。
トヨタといえばカローラ、スバルといえばインプレッサというように。
トヨタ カローラ スポーツ
出典:トヨタ公式サイト
スバル インプレッサ スポーツ
出典:スバル公式サイト
名車は多くの人から信頼を勝ち取っているため、これらの新車は高いリセールバリューが期待できます。
また、名車としての信用もあり、値崩れしにくく、販売店としても売りやすい事もポイントです。
海外での需要が多い
海外需要の高い車は、高い値段で取引されるためリセールバリューが高くなります。
なかには、3年経っても新車価格の9割の値段で売れる車があるとか!
また、10万kmを超えた走行距離でも、需要のある車は高値で売れる場合があります。
日本に住んでいるとなかなかわかりにくい要素ですが、ここも押さえておくと強いです。
海外では、日本車が大人気。
壊れにくさ、燃費の良さに加えてラインナップも豊富です。
また、壊れた時のアフターサポートが手厚い事も日本車が人気な理由の一つです。
日本車の中でも、特に人気な車種が以下です。
ホンダCR-V
出典:ホンダ公式サイト
トヨタ ランドクルーザー
出典:トヨタ公式サイト
日本ほど道路が整備されていない、つまり悪路が多い地域にはランドクルーザーはもってこいでしょう。
CR-Vのように大きくて頑丈、かつ高級感もある、居心地の良い空間を持つ車は海外では歓迎されます。
愛好家が多い
愛好家、いわゆる固定ファンですね。
聖飢魔IIのCDは必ず買う・・・みたいな。
車でいうとジムニーがそのイメージです。
実際、ジムニーをこよなく愛する人々=通称ジムニストがいますからね。
世代を経てその車のフォルムが替わろうとも変わりなく愛される車は強いですね。
当然リセールバリューも崩れにくいです。
スズキ ジムニー
出典:スズキ公式サイト
車体カラーが白系か黒系の車
リセールバリューを決める要素で意外と影響を与えるのが車のカラー。
実は、市場価値が高い=売れやすい車は白や黒といった無難なカラーなんです。
次点がシルバー系。
逆に、原色系の青や赤は買う人を選ぶので、白、黒よりリセールバリュー が下がる傾向にあります。
リセールバリューが低い車
反対に、リセールバリューが低い車はどんな車でしょうか・・・。
人気が無い
人気が無いけど、あの車が欲しい!という場合は、売るときのことを考えない方が良いでしょう。
人気が無いので、指名買いされず売れません。
売れないから中古自動車販売店にいつまでも在庫として残ります。
そうなると維持管理の手間がかかるので、お店としてはなるべく早く売れるように値段を下げます。
市場全体で同じ傾向が現れるので、その車の中古査定額も低くなります。
結果、リセールバリューは下がります。
一般的な輸入車
輸入車、いわゆる外車です。
外車って高く売れるような気がしますが、驚くほど値がつかないと思ってください。
外車はメンテナンス費用が高く、諸手続きなど色々手間がかかるため、中古車販売店も欲しがりません。
欲しがられない車は安くなるので、リセールバリューは下がります。
OEM車種
メーカーのロゴだけ変わっている車です。
例えば、スズキが製造してマツダに提供しているフレアシリーズなんかがこれですね。
他にもダイハツタント のOEMでスバルから発売されているシフォンも同じです。
基本的にOEMの車は、オリジナルメーカー製より人気が出ません。
OEMの車はオリジナルメーカーの車と比べると選べる色やオプションも少なめです。
リセールバリューを考えるなら、OEMではなくオリジナルメーカーの車を選びましょう。
ドギツい色、派手な色の車
白、黒系の車が良く売れる、という事は反対に派手すぎたりドギツい色の車は売れません。
私の近所にも、ド派手で思わず二度見した車が走っています。
そう、ショッキングピンクのクラウン(クラウンアスリート)!
あれは初めて見たときは衝撃を受けました。
買う人も乗る人も選ぶ車だろうなぁと思いました。
物凄く攻めてる感があってカッコいいんですが、このような車はリセールバリュー が下がります。
乗るならば売ることを考えず、割り切って長く乗ってあげた方が良いでしょう。
最もお得なSUVはどれ?(ランキング ベスト10)
SUVは車の中でも人気カテゴリーなのは今さら言うまでもありませんよね。
そのSUVの中でも特に人気が高く、リセールバリューが高い車ベスト10を発表します。
なお、下記のランキングでは以下の基準で車種を選定しています。
- 車体カラーはホワイトで試算
- リセールバリューは新車購入から3年後の車の価値なので、3年前の2016年式から抽出
- 2016年以降にモデルチェンジした車種の走行距離は発売年から2019年までの期間で試算。
- 走行距離は1年で1万kmと仮定し、発売から1年経過は10001〜15000km、2年は20001〜25000km、3年なら30001~35000kmで試算
1位 スバル フォレスター
出典:スバル公式サイト |
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リセールバリュー | 80%〜116% |
新車価格 | 286~317万円 |
平均買取相場 | 229〜368万円 |
2018年にフルモデルチェンジしたスバルの大型SUVフォレスター。
スバルらしい流線型の外観と広く快適な車内空間。 加えて、衝突安全性能や乗員保護の実験にて、ヨーロッパでは唯一の『5つ星』に認定されるという快挙。 デザインと安全性を両立させた素晴らしい車がドライバーの冒険心をくすぐります。 発売から2年が経とうとしていますが、いまだに驚異的なリセールバリューが フォレスターの質の高さを証明しています。貫禄の1位! |
2位 トヨタ RAV4
出典:トヨタ公式サイト |
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リセールバリュー | 69%~139% |
新車価格 | 316~329万円 |
平均買取相場 | 219万円~460万円* |
2019年4月に日本国内で発売されたRAV4。
発売から1ヶ月で、目標の3倍の受注を獲得した大人気っぷり。 その人気のおかげで、リセールバリューは非常に高い69%を記録しています。 市場ではほぼ新車にオプションを装備したカスタマイズ版が売り出されていて、本体価格を超えています。 発売されたばかりなので、しばらくは安定したリセールバリュー を維持するでしょう。 |
3位 マツダ CX-8
出典:マツダ公式サイト |
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リセールバリュー | 59%〜85% |
新車価格 | 294〜489万円 |
平均買取相場 | 251〜291万円 |
クロスオーバーSUVとして、どんどん知名度が上がっているマツダのCXシリーズ。
中でもフラッグシップのCX-8は、ラグジュアリーなインテリアが魅力です。 しかも3列シートを備えていて6人〜7人でお出かけできちゃう頼もしい車。 |
4位 スバル XV
出典:スバル公式サイト |
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リセールバリュー | 56%〜105% |
新車価格 | 217〜292万円 |
平均買取相場 | 122〜307万円 |
カッコいいですね!
都会的でシャープな外観とスバルらしい玄人好みの雰囲気。 この二つが絶妙な配分でミックスされていて、人気が出るのもうなずけます。 その人気が示すように、リセールバリューは56%。 市場には新車価格を超える車も売り出されています。 |
5位 トヨタ ランドクルーザープラド
出典:トヨタ公式サイト |
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リセールバリュー | 55%~61% |
新車価格 | 360~546万円 |
平均買取相場 | 223〜303万円 |
オフロードもバリバリ走るランドクルーザーの兄弟車。
室内は長時間のドライブや悪路走行にも疲れにくい高級感あるシートを備えています。 また、大きな荷物や多くの荷物を詰め込むための座席レイアウトの自由度も高いです。 これらの特徴から、特に海外で需要の高い車となっておりリセールバリューの高さに反映されています。 |
6位 マツダ CX-5
出典:マツダ公式サイト |
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リセールバリュー | 51%〜58% |
新車価格 | 261〜395万円 |
平均買取相場 | 134〜230万円 |
マツダCX-8につづき、CX-5もベスト10入りです。
CX-8と比べると本体の大きさが少し小さめなので、運転の小回りは効きます。 CX-8は3列シートですが、こちらのCX-5は3列シートがありません。 一緒に乗る人数によってCX-8かCX-5を選ぶ人も多いでしょう。 |
7位 トヨタ ランドクルーザー
出典:トヨタ公式サイト |
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リセールバリュー | 47%〜63% |
新車価格 | 482〜697万円 |
平均買取相場 | 229〜443万円 |
圧倒的な存在感で世界中の人を魅了するランドクルーザー。
ガレキにぬかるみ、雪が降り積もった道や斜面、凸凹道もしっかりと走れる車は少ないでしょう。 あらゆる地形を走る走行性能に加えて居住性も素晴らしく、オフローダーにもファミリーにも頼れる車です。 |
8位 トヨタ ハリアー
出典:トヨタ公式サイト |
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リセールバリュー | 47%〜51% |
新車価格 | 300~469万円 |
平均買取相場 | 154〜222万円 |
SUV人気の功労者、ハリアー 。
男性女性問わず、憧れの的になる車ですね。 派手すぎず落ち着いた雰囲気の中に、若々しさもある外観と高級ラウンジのような室内がとても魅力的。 リセールバリューは一時期に比べて落ちていますが、いまだに人気は衰えず。 状態が良ければ思わぬ高値がつく可能性は充分にあります。 |
9位 レクサス RXハイブリッド
出典:レクサス公式サイト |
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リセールバリュー | 45%〜50% |
新車価格 | 627〜796万円 |
平均買取相場 | 288〜400万円 |
レクサスで唯一ランクインしたRXハイブリッド。
高級車ブランドとしてトヨタが展開するレクサスはドライバーにとって憧れです。 レンタカーでは借りる機会はないでしょうから、運転したければ買うしかないのです。 新車価格が高いので、3年で売ることを考えて乗るのもアリです。 しかし、リセールバリューは高くもなければ低くもない、つまり普通です。 |
10位 日産 エクストレイル
出典:日産公式サイト |
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リセールバリュー | 44% |
新車価格 | 227~354万円 |
平均買取相場 | 102〜156万円 |
日産のSUVといえばエクストレイルの名前がすぐに出てきますね。
シートアレンジの自由度が高く、様々な荷物を運べる点がポイント。 さらに、先進技術プロパイロットやインテリジェント機能も搭載され、安全性も高いです。 |
特別枠 トヨタ ライズ
出典:トヨタ公式サイト |
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リセールバリュー | データなし *市場に出回っている数がまだまだ少ない |
新車価格 | 167〜228万円 |
平均買取相場 | 167〜287万円 |
特別枠としてトヨタから発売されているライズを紹介します。
この車はダイハツから出たロッキーのOEM版です。 「あれ?ロッキーに似てる」と思った人もいるのではないでしょうか。 フェイス部分は少し違いますが、他はロッキーと同じです。 5ナンバーサイズながらSUVらしい悪路走破性を持つため、取り回しがしやすいです。 スポーティーな外観と、100万円代から購入でき、今や飛ぶ鳥を落とす勢いで売れている車。 このまま人気が落ちなければ高いリセールバリューを出すことは間違いないでしょう。 |
リセールバリューがすべてではない
ここまで散々リセールバリューについてお伝えしてきましたのに、何を言っているんだ?と思われますね。
車の価値や、満足具合、何をお得だと思うかは人それぞれ。
リセールバリューは、確かに金銭的にお得になる話です。
しかし、リセールバリューを考えすぎて本来の車の楽しみを失っては本末転倒。
例えば、『本当は青いカラーが欲しいけど、リセールバリューを考えると白にするか・・・』
と考えるぐらいだったら青い車を選んでください。
車は一旦購入すると長い時間視界に入りますし、その中で過ごします。
やはり自分が『気に入った、買ってよかった』と思える車でないと精神衛生上良くないです。
リセールバリューが多少下がっても、後悔しないように車選びをしましょう。
あなたにとって、車とは何ですか?
まとめ
それではリセールバリューについておさらいです。
まとめ
☑️リセールバリューとは新車購入から3年後の車の市場価値
☑️リセールバリューが高い車:
- 人気がある
- モデルチェンジしてもイメージが変わらない
- ロングセラーの車
- 海外での需要が多い
- 愛好家が多い
- 白か黒のカラー
☑️リセールバリューが低い車:
- 人気が無い
- 一般的な輸入車
- OEM車種
- ド派手なカラー
☑️リセールバリューがすべてではない:
金銭的な『お得感』に惑わされず、自分にとって本当の価値を選択する事
うまくリセールバリューを使えば、3年ごとに新車へ乗ることができますよ。
そして、また次の車を買う・・・。
リセールバリューを良く知れば、単にお得感を得られるだけでなく、損も減ります。
なぜなら車の価値を知っているので、変に安い値段で売る事がなくなります。
良い事づくめなリセールバリューの知識・・・
ぜひ、この機会に一度あなたの車のリセールバリューを調べてみましょう。