「さぁ車を買うぞ!」という段階で、お世話になるもの。
それが「ローン」や「残価設定型クレジット」です。
みなさんは、何を基準にしてローンを選びますか?
「ディーラーにお任せするつもり」っていう人は要注意!
ディーラーの指示通りにローンを組んだら損するかもしれません。
今回は、各種支払い方法における「金利の違い」を詳しく紹介します。
また「ローン」と「残価設定クレジット」を徹底比較。
同じ車を買うにしても、支払方法によって数十万円単位で価格が変動するケースも!
ぜひ参考にして、あなたに最適な支払方法を選んでくださいね。
目次
車のローンにはどんな種類があるの?
車を買うときに利用できるローン(分割払い)の種類はひとつではありません。
主なものを3つ紹介します。
1. ディーラーローン
その名の通り、ディーラー関連の信販会社が取り扱うローンです。
ディーラーに「ローンで支払います」と伝えた場合に該当します。
2. 残価設定型クレジット
「残クレ」なんて言い方をする場合もある「残価設定型クレジット」。
ディーラーローン同様、ディーラーが取り扱う分割払い商品のひとつです。
- 車両価格の40~50%は残価(=残存価値)となり、月賦支払いの対象外となる
- 残価以外に対してクレジットを組むため、月々の支払いは安く済む
- 他のローンにはない「制限」や「支払い条件」があるため注意する
「残価設定型クレジット」をもっと知りたい方は、こちらをクリック。
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3. 銀行系オートローン
銀行・信用金庫・JAなど金融機関が手掛けるローンを指します。
オート=車購入を目的とする場合に適用され、中古車も対象とする商品がほとんど。
「自動車ローン」や「マイカーローン」などと呼ばれることが多いですね。
ディーラーを経由して申し込みできないため、自ら契約する必要があります。
インターネットだけで契約可能な、いわゆる「ネット完結」もあり。
ただし、審査に日数がかかる場合があるので、余裕をもって申し込んでくだいね。
それぞれ金利の平均はどのくらい?
車の支払方法として選べる「各種ローン」や「残価設定型クレジット」。
それぞれ金利が異なります。
平均金利
ディーラー系 | 5~6% |
残価設定型クレジット | 4~5% |
銀行系オートローン | 2~3% |
【参考】銀行系多目的ローン(フリーローン) | 10%程度 |
参考までに掲載した「銀行系多目的ローン」の金利と比較してみると・・・
車の購入を対象とする商品は、いずれも金利が低めですね。
中古車の場合
新車に比べて、販売店の利益が少ない傾向にある「中古車」。
そのため、中古車販売店や中古車を扱うディーラーの金利は高くなります。
主な中古車販売店のローン金利(2019年2月現在)
- ガリバー:9.8%
- ビッグモーター:9.9%
- ネクステージ:10.0%
さきほどの平均金利と比較すると・・・確かに金利が高い。
ローンに伴うマージンから、少しでも利益確保を狙う販売店の姿が垣間見れます。
※マージン=金利に占める販売店の取り分
そもそも「金利」って何?
いまさら人には聞けない「金利」について、詳しく解説します。
金利=ローンやクレジット利用時に「支払うべき利子」のこと。
実質年率で決められており、当然ながら支払期間が長くなるほど利子は増えます。
金利には下記の2種類があります。
- 固定金利:返済期間中の利率が一定
- 変動金利:返済期間中の利率が変動
どんな違いがあるのでしょうか?
固定金利
ディーラーローンのほとんどは「固定金利」です。
ローンを契約する段階で、最終回までの月々の支払額が決定します。
変動金利
様々な影響を受けながら、日々刻々と流動する経済情勢。
好景気になれば金利は上昇し、その逆も然り。
そんな中、個人が抱えるローンの返済中においても金利は変動します。
したがって、経済を背景に得したり損したりするのが変動金利の特徴です。
とはいえ、住宅ローンなどに比べれば返済期間の短い「オートローン」。
金利変動の影響は少ないと言えます。
借入額が金利を左右することも
借り入れる金額が大きい場合、特別に低金利を設定できる銀行もあります。
※審査に通ることが条件
例)適用金利:1.75~2.35%の銀行系ローン
→1.75%適用は500万円以上を借入の場合(2019年10月現在)
参照元:常陽銀行
金利が違うと支払総額はこんなに変わる!
金利によって、どれくらい支払額が変わるのか?
条件が以下の場合をシミュレーションしてみましょう(単位は円)。
- 借入額:【300万円】と【500万円】の2バージョン
- 金利:2.35%(銀行系ローン)と5.90%(ディーラーローン)
- 返済期間:5年
300万円 | ||
5年間 | ||
実質年率 | 2.35% | 5.90% |
月々支払額 | 53,043 | 57,859 |
総返済額 | 3,182,580 | 3,471,540 |
500万円 | ||
5年間 | ||
実質年率 | 2.35% | 5.90% |
月々支払額 | 88,406 | 96,431 |
総返済額 | 5,304,360 | 5,785,860 |
差額
- 300万円借入の場合:288,960円
- 500万円借入の場合:481,500円
金利以外の違い
ひとくちに「ローン」といっても、金利以外にも異なる点があります。
それぞれの商品の特徴をチェックしてみましょう!
申込方法
「ディーラーローン」や「残クレ」を希望する場合は、いたって簡単。
車の購入に併せて、ディーラーの担当営業に相談するだけでOK。
一方「銀行系ローン」を希望するなら、自ら手配する必要があります。
とはいえ、直接来店することなくインターネットで完結する便利な商品もあります。
審査
基準:金利の安いローンほど審査に通るのは厳しい。
日数:一般的に「ディーラーローン」よりも「銀行系ローン」の方が時間を要す。
繰上返済
ローンを組んだことがあるなら、一度は耳にする「繰上返済」。
繰り上げして返済する=賞与などお金に余裕ができたときに多く入金する方法です。
利用すれば、利子が減る=総支払額が安く済むというメリットがあります。
さらに商品によっては、毎月の支払額を減らすことも可能!
しかし、すべてのローンが「繰上返済」に対応しているわけではありません。
そもそも「繰上返済不可」である場合もあります。
また、可能であっても「利用回数」に制限を設けていたり「手数料」が必要な場合も。
事前に、しっかりチェックすることが肝心です。
保証料
「まだ他にお金がかかるの?」
はい、別途「保証料」が必要なディーラーや金融機関があります。
「保証料」とは、銀行や信販会社が指定する保証会社に支払う費用のことを指します。
万が一返済が滞った場合、代わりに保証会社が返済を行う仕組みになっているんですね。
また、実質年率とは別に保証料として上乗せされる場合があるので要注意です。
所有権
契約内容によっては、車の名義が「ディーラー」や「信販会社」になるケースも!
いつ購入者自身に車の所有権が移るのか?を把握して、商品を選んでくださいね。
最後に各商品の特徴を一覧にまとめました。
ディーラーローン | 残クレ | 銀行系ローン | |
申込方法 | ○ ディーラーが手配 |
△ 自分で手配(ネット完結あり) |
|
審査日数 | ○ 即日が多い |
△ 即日~1週間 |
|
審査の通りやすさ | ○ | △ | |
繰上返済の利便性 | △ 手数料高め |
△ 一括返済など条件あり |
○ 手数料低め(無料の場合も) |
保証料の有無 | ディーラー・金融機関によって異なる | ||
所有権が購入者に移る タイミング |
完済後 | 購入時 |
まとめ
高い買い物である「車」を現金一括購入!なんて夢物語・・・
庶民の多くは、予算と闘いながら「ローン」や「残価設定クレジット」を契約するはず。
以下のポイントを踏まえつつ、最も自分に適した支払方法を選びましょう!
- スムーズに契約がすすむ「ディーラーローン」は金利高め
- 金利低めの「銀行系ローン」は、自分で申し込む手間がかかる
- 商品によって「繰上返済」や「保証料の有無」などが異なる
なるべくなら少なく済んでほしい利子。
金利が異なるだけで、総支払額は数十万円単位で大きく変わってきます。
数十万円あれば・・・
愛車に高級オプションを付けたり、家族そろって海外旅行だって楽しめます。
この記事を参考に、ぜひ満足いく買い方を見つけてくださいね。